侍はオシャレだった!?侍の技術は現代へ
侍はオシャレだった!?
刀を腰に差して悠然と歩く侍達。彼らは現代のように派手なアクセサリーをせず、一本気を貫いた男の中の男のイメージを持っていることでしょう。しかし実際は、かなりオシャレに気を遣っていました。
着物に関しては奈良時代から確立されていたものの、着物の種類は限定的。バリエーションが一気に増えた時代こそが、江戸時代だったのです。武家の服装はかなり厳しいルールが決められていたものの、プライベートは自由。季節に合わせて着物の柄を換えていた侍も、いたほどです。
おしゃれな刀はイケてる侍の証
そんなオシャレな侍達だからこそ、手に持つ刀もこだわりが。江戸時代に入ってもしばらくは戦いが続き、実用性重視のものがメインに。しかし戦いが終わり安定すると、きらびやかな刀が登場しました。
特に力をいれたのが、刀の鍔。富士山が彫られている鍔や、透かし彫りが見事な鍔まで多種多様。そんな中で生まれたのが、杢目金です。一見すると何でもない鍔ですが、よく見ると木目模様が描かれています。違う金属を掛け合わせて生み出された技法で、見事としか言いようがございません。
侍の時代は終わり…
ところが、侍の時代は終わりを告げます。オシャレの代名詞となったのは、西洋のもので日本古来から伝わる刀は時代遅れ。当然、杢目金も過去のものになりました。このままでは、刀鍛冶は路頭に迷うだけです。
しかし日本人はなんともたくましいもの。刀鍛冶は持っている金属加工の技術を活かし、西洋のアクセサリー製作に乗り出しました。不慣れなアクセサリーは大変だったと予想しますが、実際のクオリティは凄まじいものがございます。事細かい部分まで、しっかりと作り込まれているのです。
結婚指輪へ引き継がれる
結婚指輪の人気ブランドとして名高い杢目金屋は、侍時代に培ってきた木目金の技術を使い、次々と素敵な結婚指輪を生み出しています。見た目はシンプルでありながら、アーム表面に描かれた木目模様。かつてオシャレを極めようとしていた侍に、通じるものがございます。
とても美しい仕上がりとなっていますので、もし興味があれば覗いてみてはいかがでしょうか。